芭っ家の畑

都内某所に、畑はあります。
一帯は室町時代に開拓され、この畑も18代目です。
栄養たっぷりな野菜たちは、旧くは宮家の、めのとのお乳を育みました。
「それだけが自慢だと、ひーばーちゃんは言ってた。ほかにはなんにもないって笑ってたけどね!」と、現在の農主も笑っています。周りの人たちが笑顔で、楽しそうにいてくれることが、なによりの幸せなのだそう。
そんな大らかで朗らかな農主が、先代の厳しい指導を受けながら、手作業で耕した土で、今も野趣あふれる無農薬野菜を栽培しつづけています。
曰く、「虫はおともだち!でも、退治しちゃうけどね……」とのことです。一匹、一匹、丁寧につまんで歩いていると、あっという間に瓶がいっぱいになってしまうのだそう。
夏は枝豆、冬は大根に、特に力をいれています。
ちなみに、芭っ家は、「でも、農業だけをやっていると、みんなから遠ざかるような気がして、ちょっとだけさみしい……。せっかく大事につくったお野菜の感想も、直接、聞けたら良いのにな……」という想いを抱えていた、元民間の農主と、「後半生は、秋田のために、なにかしたい!」という女将が、ひょんなご縁で知り合ったことから始まりました。